パイナップル
パイナップルとは
パイナップル(Pineapple)は、熱帯・亜熱帯地域を代表する果実のひとつで、生食用はもちろん、加工・業務用としても世界中で幅広く活用されています。果肉のジューシーさ、爽やかな酸味、華やかな香りが特長で、国内外を問わず高い人気を誇る果物です。
パイナップルの原産地は、南米(ブラジル〜パラグアイ地域)とされ、先住民族の間では古くから栽培されてきました。15世紀末、コロンブスの航海によりヨーロッパへ伝わり、以降、アジアやアフリカ、太平洋諸国へと広がりました。
現在では、フィリピンや台湾をはじめとするアジア圏が主要な輸出国となっており、日本市場にも多様な品種が安定供給されています。
主な産地・品種と特長
① フィリピン産パイナップル
主力品種:MD2(ゴールデンパイン)
国際的なスタンダード品種として広く流通。糖度が安定して高く、適度な酸味とのバランスが良いため、生食・加工用いずれにも対応可能です。
業務用ニーズに対応:高熟度パイン/葉無パイン
完熟に近い状態で収穫される「高熟度パイン」は、香り・甘さに優れ、飲食・ホテル業界での採用実績が多くあります。また、カット工程の効率化・廃棄軽減につながる「葉無規格」も業務用途に根強い人気があります。
② 台湾産パイナップル
主力品種:金讃(きんさん)※台農17号
香り高く、果肉はやわらかく芯まで食べられるのが特長。上品な甘さと酸味の少なさから、日本市場での評価が非常に高く、ギフト用途にも適しています。


栄養成分・効能
ジューシーな果汁と甘酸っぱい味わいで人気のパイナップル。
南国らしい爽やかさの中には、美容や健康にうれしい栄養素がしっかり詰まっています。特に注目すべきは、以下の4つのポイントです。
1. 疲れたカラダにやさしく届く「ビタミンB1」
パイナップルは果物の中でもビタミンB1の含有量が多め。
糖質の代謝を助け、疲労回復や夏バテ対策に効果的とされています。
運動後やエネルギーをしっかり使った日のデザートにもぴったりです。
2. 肌のハリと免疫を守る「ビタミンC」
100gあたり34mgのビタミンCを含み、抗酸化作用や美肌づくり、免疫力の維持に役立ちます。
紫外線ダメージが気になる季節にも、積極的に摂りたい栄養素です。
3. 腸内環境をサポートする「食物繊維」
食物繊維も含まれており、おなかの調子を整える効果が期待できます。
すっきりとした毎日をサポートしてくれる、心強い味方です。
4. 酵素の働きで消化もスムーズに
パイナップルには「ブロメライン」というたんぱく質分解酵素が含まれており、
消化を助ける働きがあります。食後のデザートにぴったりな理由のひとつです。
※参考:「日本食品標準成分表2023年版(八訂)」より(パイナップル/生)
▶ 文部科学省 食品成分データベース パイナップル
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07097_7
保存方法
パイナップルは「追熟しない果実」であり、収穫時の鮮度と糖度がそのまま最終品質に直結する果物です。適切な保存管理によって、果実の劣化や廃棄ロスを防ぎ、品質を最大限に活かすことが可能です。
① 保管温度の管理
適温は10〜13℃前後(常温保管可)br>
極端な低温(10℃未満)では低温障害を起こしやすく、果肉の変色や風味劣化の原因となります。冷蔵庫保管する場合は、冷やしすぎに注意してください。br>
出荷・陳列時は風通しの良い涼しい場所での常温保管が理想的です。
② 湿度と通気のバランスbr> 高湿度・密閉状態ではカビや腐敗の原因となるため、適度な通気性を確保することが重要です。特に葉付きのパイナップルは湿気がこもりやすいため、湿度管理にご留意ください。
③ 流通時の注意点br> 追熟しないため、鮮度が高い状態での回転が重要です。仕入時は果皮のツヤ・香り・葉の状態をチェックし、できるだけ早い出荷・使用を心がけてください。
供給時期(表)
