ンゴーとは

マンゴーはウルシ科マンゴー属の植物で、原産地はインドから東南アジアにかけて大きく広がり、世界に存在するマンゴーの品種・系統は800〜1000とも言われている。

原産地であるインドのムガール王朝時代アクバル大帝が、インド東部のダルバンガに10万本のマンゴーを栽培させた記録が残っている。このマンゴー栽培によって、いくつかの品種が世界中の栽培品種のルーツとなり、16世紀にポルトガル人によってインド洋の島々およびアフリカの海岸部に持ち込まれ、その後、ブラジルやメキシコへ1700年頃、西インド諸島へ18世紀中頃、ハワイへ1800年頃、フロリダへ19世紀初頭、オーストラリアへ1870年頃に持ち込まれている。

そして、マンゴーはスペイン・ポルトガル・オランダ人による大航海時代になって急速に、世界中に広まり、それぞれの地域に持ち込まれた種子から多くの品種が生まれ、様々な形や色、風味の違いのマンゴーが生まれた。マンゴーは大きく分けて、インド系と東南アジア系の2系統とされる。

インド系は、暑い夏と涼しい冬があるモンストーン地帯の乾燥した亜熱帯に発生し、東南アジア系は常時高温で湿度の高い熱帯から発生したものである。インド系は赤色系のマンゴーが多く、東南アジア系は黄色や緑色系が多いとされている。

養成分・効能

マンゴーは、豊富なビタミンを含み、美容・健康には最適な果実です。特にビタミンA(βカロテン)は果実の中でもトップクラス。SSサイズ1日1個で1日の摂取量を十分補うことができるほどです。美容・健康に欠かせないビタミンCも豊富に含まれています。

な栄養成分(可食部100gあたり)

カロリー(71kcal)

ビタミンA、β-カロテン(580mcg)

ビタミンC(58mg)

葉酸(28mcg)

ミネラル、カリウム(200mg)

たんぱく質(0.7g)

脂質(0.3g)

炭水化物(16.4g)

な効能

美肌効果、がん予防、

貧血予防、便秘改善、

高血圧予防、動脈硬化予防、

脳梗塞予防、心筋梗塞

国のマンゴー特徴と将来性ランキング(弊社独自の順位)

1品種 ② 時期 ③ サイズ ④ 期待度 ⑤消毒方法 ⑥評価

輸入量(トン)2010年実績


第一位 フィリピン  2,834トン (前年対比104%)

1マニラースーパー

② 通年 

③ 16/20/24s ・4P(30s)

④ 日本市場のマンゴーの底辺を支えている。年間を通して、同じ品種で供給可能、3月~6月がルソン島、6月~2月がミンダナオ島の二大産地で収穫しています。濃厚な甘さと爽やかな酸味が程よく調和、舌触りも極めて滑らかなマンゴーです。

⑤蒸熱処理・・生果実の中心温度を46℃とし、その温度以上で10分間消毒する。

⑥評価:過去7,000トンの輸入実績で、販売方法により見直される要素は高い。


第二位 メキシコ  3,973トン (前年対比79%)

1 へーデン/ケント/キート

② 3月~9月

③ 8/9/10/12/14s

④赤系マンゴー代表格として、日本市場で30年以上の輸入実績がある。特にケント種の評価は高く、他を寄せ付けない存在感がある。なお、航空便と船便は住み分けされた販売路線となっているが、船便は生産環境で安定する時期に「季節限定販売」が良い。

⑤温水処理・・生果実の中心温度を46℃とし、フルーツの500g以下は75分間以上、500g以上は90分間以上その温度で消毒する。

⑥評価:収穫のタイミングが大切。熟度管理を行ったケント種は格別に美味しい。


第三位 タイ  1,520トン (前年対比108%)

1ナンドクマイ及びマハチャノック

② 11月~7月

③ 10/12/14s

④ 糖度の高さでは、マンゴーの中でも上位である。多少癖のある香りもあるが、大人が好む食味として評価は上昇中である。しかし、過去の輸入体制(船・出庫状況)では、品質面に大きな問題があり、イメージが非常に悪い存在になっているが、近年、航空便産地出荷の改善により、本来の「実力あるマンゴー」に信頼が高まりつつある。

5蒸熱処理・・生果実の中心温度を46℃とし、その温度以上で10分間消毒する。

6評価:高糖度ながら、品質管理が難しい。


第四位 オーストラリア  122トン (前年対比65%)

1ケンジントンプライド/マチルバ 

② 10月~3月

③ 8/9/10s

4ケンジントンプライド種は、独特の香りがマンゴーの上品さを演出している。秋から冬に架けてのシーズンのため、産地で熟度調整しての出荷体制から、日本到着時点では、ある一定の熟度(食べ頃)のフルーツを提供している。夏の「宮崎・沖縄産」、冬の「オーストラリア産」は、季節的にもギフト需要も重なることから、品質を優先して、高いステータスを目指しての販売路線になっている。

5蒸熱処理・・生果実の中心温度を47℃とし、その温度以上で15分間消毒する。

6評価:マンゴーの中でも上品な香りと食感を持ち合わせている。


第五位 台湾 995トン (前年対比101%)

1 アーウィン

② 5月~7月

③ 10/11/12/14/16s

4宮崎・沖縄産などと同品種が売りです。ただし、価格先行だけではなく、品質の選果を強化し、露地栽培としての美味しさのアピールが必要。日本市場では、マンゴーは人気商品だけに、イメージアップを高め、台湾産農産物を牽引する重要な役割にもなる。

5蒸熱処理・・生果実の中心温度を46.5℃とし、その温度以上で30分間消毒し、その後速やかに常温まで下げること。 6評価:消費者は、マンゴーは赤色のイメージで、購入のきっかけになる。


第六位 カリフォルニア  277トン (前年対比97%)

① キート

② 8月~10月

③ 6/8/9/10s

④ 果皮がいつまでも「深いトロピカル・グリーン」が、新鮮さを感じさせる。沖縄の「幻のマンゴー」キート種と同じで、収穫期間が短いため、「旬」を逃さないことが大事です。

⑤ 処理なし・・輸入マンゴーの中で、唯一、「自然のまま」の出荷

⑥「食べ頃」がぴったり合えば、最高の味を味わえるが、そこが難しいマンゴーでもある。


第七位 ブラジル  508トン (前年対比129%)

1 トミーアトキンス及びケント

② 8月~3月

③ 10/12/14/16s

4トミーアトキンス種は、米国では好まれ、比較的繊維質が多い品種。日本市場では、マンゴーの繊維質の少ないものが好まれているが、世界最大産地のブラジル産で、脚光を浴びるか。

5温水処理・・生果実の中心温度を46℃とし、フルーツの500g以下は75分間以上、

6 評価:赤系マンゴー人気ながら、食味にバラツキが難点。


第八位 ペルー 60トン (解禁初年度)

1 ケント

②11月~4月

③12/14/16s

5 人気品種ケント種に期待される。

⑤ 温水処理・・生果実の中心温度を46℃とし、フルーツの500g以下は75分間以上、

⑥ 評価:まだ、品質に不安があり、収穫時期など改善する必要がある。


その他 インド産:マンゴーの原産国だが、アルフォンソン種は加工用として重宝される。プエルトルコ・ドミニカ産は、輸入量が少なく、評価はこれから。

ワイトスポット

ホワイトスポットには「ライシネス」と呼ばれるものがあります。これは米粒のように見える白い小さな点が種子の周りに見られます。

発生の原因として、主に二つが考えられます。

①収穫後果実がまだ青いうちに外部の衝撃からダメージを受けた場合

②果実自体が何らかの生理的問題をもっている場合で、例えば蒸熱処理の熱にも感受性が強くなります。おおまかには、マンゴーの澱粉が糖に変わる段階で何らかの阻害を受けることにより発生するものと考えられます。

食すことには何の問題もありませんが、印象が良くありませんので、産地側では発生を防止する様々な研究を行っております。

肉障害

果肉障害でもある変質『養分アンバラン障害』(下記写真)は果実の生育段階で摂取される肥料の窒素・リン酸・カリのアンバランスで発生し、主に窒素過多によると考えられています。

この障害の発生は特定の年に、特定の畑の一部果実に見られる現象で、障害部分は無味か酸味だけが感じられる場合があります、しかし腐敗等ではありませんので人体に対する害は一切ありません。

ンチセル

これはレンチセル・スポット『果皮気孔斑点』と呼ばれるものです。 一般に果実の表皮には気孔細胞(レンチセル)があり、周囲の気温に合わせて気孔の開閉により呼吸量を調節して果実内部の温度を一定に保つ働きをし、又気温が下がると気孔は閉じる仕組みになっております。

しかし一定以上の高温に晒された場合気孔は全開状態になり気温が下がっても閉じることがなくなります。 又その全開したセルの周りが茶色に変色します。 その茶色の部分をレンチセル・スポット『果皮気孔斑点』と呼んでいます。

このスポットの発生は一般的には日光を良く浴び、高温条件下での栽培で良くみられ、オーストラリアの場合ノーザンテリトリーの果実に多く見られます。 又、物理殺菌殺虫のホットウオーターやペーパーヒート処理でもこの症状が見られることがありますが、特定の温度で発生するなどの法則は無く、産地・時期・個体差によっても症状の有無や軽重の違いが認 められます。

症状そのものは単に細胞の変形と変色ですので、炭疽病など細菌による腐敗等ではございません。

ンゴー・アレルギー

マンゴーはウルシ科に属する植物ですので、稀にかぶれることがあります。

これは、ウルシ科植物に含まれる成分「ウルシオール」によるものとており、食べてから1~2日たってから症状が出る接触性遅延型アレルギーの一種です。

しかしながら、マンゴーは日本にあるウルシやハゼといった植物とは別のマンゴー属に分類され、ウルシ等に比べてその成分は微小で、世界中の熱帯・亜熱帯の地域において「生食用」として古くから栽培されてきた植物です。又、樹木や未熟な果実と比べ熟した果実に含まれる量は更に少なくなりますので、果実でかぶれることは少ないようです。

但し、微量とは言えウルシ成分は残っておりますので、植物に特別かぶれやすい体質の方は注意したほうが良いと言われます。

又、アレルギーの一種ですので、以前にマンゴーでかぶれたことがある方は再度かぶれる可能性があります。スプーンを使用してお召し上がり頂くこともお勧めしております。

べ方

入時期